フラペ派も必見!! MTBの走りはペダルとシューズで劇的に変わる!Crankbrothers「マッチシステム」解説

2025年11月26日by NishimuraDaisuke

マウンテンバイク(MTB)の走りを根本から変える始めの一歩は、実はペダル × シューズ × クリート位置の組み合わせにあります。

「フラットペダルが滑る」「なんとなく足裏が疲れる」といった走行中の違和感は、シューズとペダルを見直すだけで一気に解決することが少なくありません。

特に、Crankbrothers(クランクブラザーズ)マッチシステムは、フラットペダルとシューズ、ビンディングペダルとシューズを最初から“セット”で設計しているため、初心者でも迷わず失敗しない“最適な足元”を選べます。

Crankbrothersマッチシステムのイメージ
Crankbrothersはペダルとシューズを「マッチシステム」として一体設計しているのが特徴。©️Crankbrothers

目次

  1. Crankbrothers「マッチシステム」とは?
  2. Stamp vs Mallet:あなたに向いているのは?
  3. クリートを“後方”にセットすると走りが変わる理由
  4. シーン別 おすすめシューズ
  5. まとめ:迷ったら「ファミリー」で揃える

1. Crankbrothers「マッチシステム」とは?

Crankbrothersは、ペダルとシューズを一つのシステムとして最適化する思想で製品を設計しています。

最大の特徴: ペダルとシューズの「相性問題」が一切発生しない。

具体的には、

これらに対してソールのパターン、ラバーコンパウンド、クリート周りの構造を専用設計。
結果、ペダルに足を乗せた瞬間に「ここだ!」というポジションに自然に収まり、最高のグリップと着脱のしやすさを両立します。

✅ ソール設計の違い

ペダルカテゴリー モデル ソール設計の特徴
フラット Stamp シリーズ ペダルピンが深く噛みやすいパターン。強く踏んでも滑りにくく、街乗りや押し歩きにも適したパターン。
ビンディング Mallet シリーズ クリート周りのガイド溝でキャッチしやすい。DH/EDRモデルは後方クリート調整幅が広く、上級者までセッティングを追い込める。

2. Stamp vs Mallet:あなたに向いているのは?

マッチシステムは、フラットペダルのStampと、ビンディングペダルのMalletの2ファミリーに分かれます。

1️⃣ Stamp系:フラットペダルの魅力(自由度と安心感)

「まだビンディングは怖い」という人や、押し歩きや徒歩の時間が多いライドにおすすめ。自転車には不向きなスニーカーで乗っている人にも。

👍 最大の武器:足をいつでも離せる心理的安心感。下りの怖さを大幅に軽減。
特性:姿勢・体重移動の自由度が高く、基礎スキル練習にも最適。
向いている人:初心者/ポタリング/通勤通学/スキル練習重視の人

Stampフラットペダルとシューズのイメージ
自由度と安心感が魅力のStamp系。フラットでまずは自転車にオフロードに慣れたい人に。©️Crankbrothers

2️⃣ Mallet系:ビンディングの魅力(一体感と安定感)

Malletは「外しやすい・嵌りやすい」を重視したビンディングペダル。

👍 最大の武器:荒れた路面での圧倒的安定感と、登りでの効率的トラクション。
特性:バイクとの一体感が増し、正しいペダリング姿勢をキープしやすい。
向いている人:ダウンヒル/エンデューロに挑戦したい人、ロングライドで疲労を軽減したい人

Malletビンディングペダルとシューズのイメージ
一体感と安定感が魅力のMallet系。荷重抜重を意のままに。パークもトレイルも本気で楽しみたい人におすすめ。©️Crankbrothers

👉 初心者ガイド:こう決めればOK

  • 足を固定されるのが怖い・歩きが多い → Stamp
  • 悪路の安定感/バイクとの一体感/ダウンヒルがしたい → Mallet

3. クリートを“後方”にセットすると走りが変わる理由(DH/EDRの最適解)

特にMallet系で重要なのが、クリートを一番後ろにセットする「後方クリート(RED ZONE)」セッティング。
これはダウンヒル・エンデューロのトッププロが採用する、現代MTBのほぼ“正解”に近い設定です。

❌ 前寄りクリートの弱点

  • ペダル軸より支点が前(母指球付近)にあり、常につま先立ち気味になりやすい
  • ふくらはぎの筋肉で姿勢を支えるため疲れやすい
  • 踵を落として強くペダル荷重すると足首が不安定になりやすい

✅ 35mmクリート前後調整幅が可能にする後方クリートのメリット

  • 荷重の軸が足裏中央〜かかと寄りに移動
  • 骨格で立てる=疲労激減(ふくらはぎがパンパンになりにくい)
  • 踵を落としたトラクション強化姿勢を努力なしで維持
  • 外足が“台”のように安定 → 正しい膝イン・尻アウトフォームが取りやすい

総括:
「疲れない」「安定する」「速くなる」の三拍子。
下りを上手に走りたいライダーは必ず試してほしいセッティングです。

Malletシューズのソールと後方クリートイメージ
後方クリート(赤い部分)は「疲れない・安定する・速くなる」を支える重要なセッティング。©️Crankbrothers

4. シーン別 おすすめシューズ(BOAモデルが人気)

Crankbrothersシューズは、フィット感に優れるBOAダイアルモデルが特に人気です。

シーン 推奨モデル 理由
トレイル初心者 Stamp BOA / Stamp Trail Lace / Stamp Trail BOA 怖くない安心感。まずは山に慣れるのに最適。見た目もスニーカーだから通勤通学・街乗りにも最適。ペダルはもちろんStampシリーズ。
登りも下りも楽しみたい Mallet Trail BOA / Mallet BOA 軽くて快適。登りのトラクションと下りの安定性をバランス良く両立。ペダルはMallet E か Mallet DH。
ダウンヒル Mallet BOA フィット感最強。急斜度や強いブレーキングで真価を発揮。ペダルは100% Mallet DHがおすすめ。

🌟 まとめ:迷わず「ファミリー」で揃える

MTBの走りは足元(シューズとペダル)を変えるだけで劇的に変わります。
そしてCrankbrothersのマッチシステムを使えば、相性の悩みを完全に解消できます。

  • フラットペダル派なら → Stampペダル & Stamp系シューズで揃える
  • ビンディングシューズ派なら → Mallet系シューズ & Mallet系ペダルで揃える

これにより設計意図がそのまま活かされ、ライダーは「ペダルとシューズの相性がどうか」を悩まずに走ることだけに集中できます。

 もし迷ったら、ぜひ所沢店店頭でスタッフに相談してみてください。あなたの今のスキルやよく走るフィールドを伺いながら、いまの自分にちょうどいい一足とペダルの組み合わせをご提案します。

なお、バイクプラスオンラインストアではCrankbrothersの同一シリーズのシューズとペダルの同時購入でペダルが10%OFFになる特典も用意しています。
店頭で試着・相談しながら選ぶのも、オンラインでお得に揃えるのも、どちらも歓迎です。

👉 Crankbrothers Stamp シリーズ ペダル & シューズ 商品一覧
👉 Crankbrothers Mallet シリーズ ペダル & シューズ 商品一覧

西村 大助(Nishimura Daisuke)

西村 大助(Nishimura Daisuke)

バイクプラス共同創業者ショップ経験30年、MTB好き歴38年

1980年代後半にMTBに熱中し、アルバイト時代に老舗アウトドアブランドの自転車売場を担当。この頃に自転車整備士資格を取得し、本格的に自転車業界でのキャリアを歩み始める。2000年には外資系アウトドア専門店で専任メカニックとして勤務。その後、国内大手アウトドアメーカーの直営店で自転車売場を担当し、自転車取り扱い店舗拡大のためのスタッフ育成や販売体制の基盤づくりに貢献。 2003年には米国バーネット・バイシクル・インスティチュートへ留学し、体系的な整備技術を修得。帰国後は専門誌での記事連載やメンテナンスDVD出演などを通じて情報発信にも携わる。2007年にバイクプラスを共同創業し、全7店舗の立ち上げに関わる。 現在はオンラインストア運営やブログを中心に活動し、「専門性は高く、でも初心者にとって敷居は低く」を信条に、自転車のあるライフスタイルを提案している。

専門/得意分野
  • マウンテンバイク/ロードバイク/クロスバイク/eバイクの販売整備およびeMTBのカスタム
  • 米国メカニックスクールで学んだ体系的な整備技術
  • ショップ運営とスタッフ育成
  • サイクリング文化の普及活動
  • e-MTBでのトレイル/グラベルライド/キャンプ
保有資格
  • 1997年 自転車組立整備士合格
  • 1997年 自転車安全整備士合格
  • 2003年 Barnett Bicycle Institute Master Mechanic 3.0 Certified